中小企業の多くは
「コーポレートサイトをうまく活用できていない」
「Webに対して苦手意識がある」
と悩まれている方も多いです。
大企業と比較して、中小企業や小規模事業者では経営に必要なヒト・モノ・カネ・情報のリソースが絞られているなかで、Webマーケティングがコロナ渦により課題の1つとなっています。
特に中小企業は特定の地域に特化した企業が多いです。チラシやDMなど、今までのやり方でもある程度は成り立っているかもしれません。その結果、Webを優先度の低いものとして捉えてしまいがちになってはいませんか。
今回は、中小企業におけるコーポレートサイトを最大限に活用するための役割やポイント、おすすめのコンテンツについて紹介します。
目次
コーポレートサイトとは
コーポレートサイトは企業の公式Webサイトを指します。
そのため、会社案内のWebサイト版と思って制作する方も多いのではないでしょうか。昨今でも会社案内的な要素はもちろんありますが、よりユーザーに寄り添ったコンテンツを発信する場所としてコーポレートサイトを位置づけている企業が多いです。
コーポレートサイトは企業の顔であり、名刺代わりです。
潜在顧客、顕在顧客に対して必要な情報やコンテンツを届けていく場の役割を担っています。ビジネスチャンスを拡大することはもちろん、人材採用、企業としての認知力向上や会社としての信用度を高めるためにもコーポレートサイトは必要不可欠です。
中小企業がコーポレートサイトを立ち上げるメリット
コーポレートサイトに訪れる主なユーザーは企業の既存客や見込み客、投資家、金融機関、就職活動をしている人、自社の社員などです。コーポレートサイトの共通する役割は、ターゲットの問題解決です。
会社案内などをメインにしたWebサイトではなく、ユーザーに有益なコンテンツを提供することで、発信したコンテンツはストックになります。その結果、未来永劫使えるコンテンツになっていきます。
例えば、今日公開したコンテンツであっても、1年後2年後にユーザーを連れてきてくれる可能性があるので、1回の仕事で何回も集客してくれる可能性もあります。
大企業との差別化を図るには
大企業と比較して、ヒト・モノ・カネ・情報のリソースが限られている中小企業。ブランディングは大企業だけではなく中小企業こそ必要であり、オリジナリティを印象付けることでブランド価値を確立できます。
限られたコストで成果を上げるためにも、順を追ってブランド定義や調査分析を行い、戦略的に展開していく必要があります。なかでも顧客を対象とせずに、自社の社員を対象にブランディングするインナーブランディングが中小企業におすすめです。コーポレートサイトは一般的に社外向けに制作している企業が多いです。しかし、本来のコーポレートサイトは、社員を含めたすべての関係者に向けた会社の紹介サイトです。
インナーブランディングを最適化することで、ブランドに対する社員の意思や認識統一にも役立てることが可能です。
正しい共通の理解をもって顧客に接することで、顧客に対する態度に一貫性が生まれ顧客満足度も高まります。
中小企業にとってのコーポレートサイトの役割
コーポレートサイトを制作する主な目的は、会社概要や社風などの企業情報を国内外のユーザーへ発信することです。インターネット上で自由に情報を閲覧できるため、自社に興味や関心のあるユーザーへ時間と場所を選ばずに情報を提供できます。
そのため、企業の顔として重要な役割を果たすのがコーポレートサイトです。
自社を理解してもらうためにさまざまな情報を公開することで、会社の信頼度アップはもちろん、コーポレートブランディングにつなげることができます。
コーポレートサイトの役割を大きく4つに分けて解説します。
企業ブランディングにつながる
コーポレートサイトは訪問者に対して、どんな会社なのかを印象付ける重要な役割があります。そのため、自社のイメージに合わせたコーポレートサイトを制作することで、企業イメージの向上につなげることができます。
ブランド価値を上げたい場合は、情緒的なものを前面に出すことをおすすめします。
例えば、コーポレートサイトの一番目立つアイキャッチと呼ばれる所に自社の「パーパス」を表示すること。パーパスは日本語で存在意義と訳されますが、コーポレートサイトはもちろん、最近多くの会社で「わが社のパーパスは」と語られることも多くなり、よく見聞きするようになりました。経営理念とも異なり、もっと根幹にある何のために自社が存在しているのかを示すものです。
そのためパーパスを含め、どのような社会的課題を解決しようとして、どのような事業の取り組みをしているのか、そのための事業や商品、サービスなどをアピールする事が大切です。
ビジネスチャンスを増やせる
コーポレートサイトが検索エンジンの結果の上位に表示されるようになると、より多くの人に自社の存在を知ってもらうことができます。信頼度が得られるようなコーポレートサイトが出来上がれば取引先の拡大や売上アップ、認知度向上などビジネスチャンスを拡大できます。
優秀な人材が確保できる
企業理念などに基づいて自社が求める人材をコーポレートサイト上で明確に示したり、よい企業イメージを与えることで効率よく適切な人材を集めることができます。上述に紹介したブランディングは、人材採用と直結すると言っても過言ではありません。
ブランド価値が上がることで、採用にも効果を発揮します。もっとコーポレートサイトで採用機能を充実させたいという場合には、あわせてブランディングを強化することをおすすめします。
中小企業向け用意すべきコンテンツ
コーポレートサイトは検索エンジンを活用して表示されます。そのため、企業や商品、サービスを知りたい場合は会社名でキーワード検索をする場合が多いです。また、悩み事やほしいものの情報を収集したい場合は、悩み事をキーワードに変えたり商品ジャンルをキーワードにして検索します。このように検索行為自体がターゲットの問題解決の行為です。そもそも問題がない人は検索をしません。
検索の先にあるコーポレートサイトは、ターゲットの問題解決のために存在している必要があります。そのため、自社のこだわりばかりを説明していても、残念ながら興味を持ってもらえないといった事態に陥ってしまうかもしれません。
企業情報
コーポレートサイトに企業情報は必須のコンテンツです。
企業情報は、会社概要と呼ばれる、企業の正式名称や所在地などの基本情報を掲載するページです。顧客や取引先、求職者などの訪問者が、問題が解決される結果や成果に興味を持った後に閲覧することが多いです。
企業情報に掲載する基本的な情報は、下記のとおりです。
・正式名称
・設立年月日
・代表者名
・所在地
・電話番号
・事業内容
・従業員数
・資本金
・関連会社
・取引先銀行
サービス・商品名
自社で扱っている商品名や商品説明などを掲載します。そのなかでも、自社製品やサービスの紹介にあわせて、商品の写真や利用シーンなどを公開することでより訪問者のニーズに応えることができます。
BtoBの場合
BtoBの場合は、自社の製品やサービスを使用することで得られる成果などを、根拠も添えながら説明していきます。
・コスト削減
・売り上げアップ
・業務の効率化
・スキルアップ
BtoCの場合
BtoCの場合は、自社の製品やサービスを使用することでどんな嬉しい未来が訪れることができるのかなどを理由を添えて説明します。
・苦痛を回避できる
・快楽を得られる
・欲求を満たすことができる
両者とも、営業のプレゼンテーションの役割を持ちます。
このように問題が解決できる結果を示すことでターゲットの興味や関心を惹きつけることができます。また中小企業では、低価格を売りにするのではなく品質や独自性を前面に出していく事で、大企業との差別化を図ることができます。
採用情報
コーポレートサイトは、顧客や取引先以外に求職者も多く閲覧します。そのため、採用活動を行っている企業は採用情報を掲載するページを作成することをおすすめします。
その際に、採用条件だけでなく実際に働く社員の様子やインタビュー、求める人物像、企業理念なども詳細に掲載することで、求職者が知りたい情報を提供できます。
外部採用サイトを利用している場合は、採用サイトなどへ誘導できる導線を考えてコーポレートサイトを制作することで、コンバージョンの向上を見込めます。
お問い合わせフォーム
自社に興味を持ってもらえ、コンタクトを取りたいと考えるユーザーに向けて「お問い合わせフォーム」を設置します。
お問い合わせフォームを設置することで、ビジネス拡大のチャンスはもちろん、採用活動などにも活用できます。
最新情報
企業全般に関わる最新情報を掲載します。
新しい製品やサービス、企業活動、ニュースなどを定期的に更新することで、ユーザーに興味を持ってもらい信頼度を向上させることが可能です。
また、定期的に更新することでSEOにも効果を発揮します。ただ更新させるのではなくユーザーにとって有益な情報を掲載するようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
あらかじめユーザーが疑問に思うような内容をまとめたページを掲載します。
このページでは、ユーザーが知りたい情報を手軽に入手できるため、コーポレートサイトの利便性が高まります。
企業側も個別に対応する必要がなくなるため、業務効率を向上できるコンテンツです。
外部評価(導入事例やお客様の声)
実際に製品やサービスを利用されたお客様にインタビューをして、成果の証言を掲載します。
インタビューをする際に重要になる項目は、下記のとおりです。
・何に悩んでいたのか
・自社のサービスを選んだ決め手は何か
・利用するにあたってどんな不安があったのか
・実際に利用してみてどうだったのか
などのビフォアアフターです。
インタビューに登場する人は、有名な人であったり有名企業であればより効果的です。このように利用者の実際の成果を公開することで、成果に対して半信半疑の状態を確信に変えることができ、その結果製品やサービスの信頼を高めることができます。
独自記事(お役立ちコンテンツ)
ターゲットが問題解決のための行動をとることができるようにアドバイスするコンテンツです。
例えば、悩みの原因や悩みを解決する手段などの比較検証レポートなどが挙げられます。悩みが発生した時点の初期段階のユーザーの悩みに寄り添い、応えていく事で自社を専門家として認識してもらうことができます。
その結果、自社の製品やサービスに興味や関心を抱いてくれるきっかけにもなり得ます。
中小企業がコーポレートサイトを最大限に活用するための施策
中小企業が効率よくコーポレートサイトを活用するための施策として、サイトリニューアル、SEO、ローカルSEOが挙げられます。
サイトリニューアル
ある程度アクセス数があるにもかかわらずコンバージョン数が少ない場合は、サイトリニューアルやサイト改善をする必要があります。
例えば、Web広告を出していてもコンバージョンが伸びない場合や、知名度がありアクセス数はあるにも関わらずお問い合わせにつながっていない場合は、サイトが分かりにくい場合があります。サイトの導線やコンテンツなど、ユーザーがアクセスしやすいよう設計し直す必要があります。
SEO
SEOは、Googleなどの検索エンジンで上位表示させるために必須の施策です。検索上位に表示されることで、自然検索だけで消費者が流入して来る可能性を秘めています。そのため、SEOはコーポレートサイトはもちろん、Webサイト、ブログなどを用いたコンテンツマーケティングにおいても重要です。
ローカルSEO
中小企業の多くは、特定の地域に特化した事業を継承している場合が多いためローカルSEOに力を入れることは有益です。Googleは2021年11月にローカルSEOをアップデートしており、より近接性に重きをおいています。SEOとは異なり、特定の地域に特化したローカル検索やマップ検索の上位に表示されるよう最適化を行う施策です。飲食やサービスなど店舗型ビジネスにおいて高い効果を発揮します。
中小企業がコーポレートサイトを作成する際の注意点
コーポレートサイトを持つ目的は、企業ブランディングや、集客、採用のためなどさまざまです。
中小企業や小規模事業者がコーポレートサイトを作成する場合、目的や優先順位が決まっていない場合があります。ただ漠然と目的を設定し、根本的な役割を理解せずに制作してしまうと存在価値の薄いコーポレートサイトが出来上がってしまいます。
コーポレートサイトには多くのコストがかかります。そのため、コストに見合った価値のあるコーポレートサイトを制作することが大切です。
特に中小企業の多くは、集客を目的にコーポレートサイトを制作すると決定しても、実際はあれもこれもとコンテンツを充実させたいとなってしまいがちです。その結果、ぐちゃぐちゃなコーポレートサイトになってしまい、お客様を増やすようなコーポレートサイトではなくなってしまうケースがあります。コーポレートサイトでは、ユーザーにとって分かりやすく、有益な情報を発信するためにも、サイトの導線を分かりやすく扱いやすいものにしていく必要があります。
そのため、コーポレートサイトを制作する目的と優先順位を決めることが大切です。
目的と優先順位を決めることで、思いついたアイデアを漠然と実行するのではなく、目的と優先順位においてどうなのかを考えられるようになります。
コーポレートサイトの主な目的は、企業情報を掲載して、最低限の信頼性を担保することや商品やサービスに関する情報を発信して集客を行うこと、会社の魅力を発信して採用を行うことです。このようにコーポレートサイトの目的をしっかりと考えて制作することが大切です。
まとめ
今回は、中小企業におけるコーポレートサイトの役割について紹介しました。
大前提としてコーポレートサイトは作成して終わりではありません。
必ずメンテナンスをする必要があります。コーポレートサイトにユーザーが訪れたときに記載されている情報が古かったら訪れたユーザーはどう思うでしょうか。この会社はちゃんとしていない、信頼しても大丈夫なのかと不安になってしまうかもしれません。
そんな風に思われてはせっかくコストをかけてコーポレートサイトを作成しても効果を発揮できません。
コーポレートサイトを最大限活用するためにも、中小企業こそ計画的かつ段階的に制作する必要があると言えるでしょう。
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