キービジュアルは認知拡大や興味関心の育成、もしくはブランディングに必要不可欠です。
同時に、企業や組織における自社ホームページや自社サイトなどにおいても、有効活用することで競合他社との差別化に繋がり、優位に立てる可能性が高まります。
今回はキービジュアルに関する基礎知識、キービジュアルによって「見て、覚えてもらうこと」の重要性、キービジュアルの作り方やポイントについてお話しします。
目次
キービジュアルに関する基礎知識
はじめにキービジュアルに関する基礎知識について解説します。
キービジュアルとは
キービジュアルとは、視覚的に印象を残すための画像やデザインです。例えばアニメやゲームのパッケージに一番目立つように配置されているキャラクター、Webサイトのヘッダーの位置にあるロゴやデザイン、ブランドやメーカーのマスコットキャラクターなどが挙げられます。
現実問題として文字列だけでは、商品やサービス、もしくはブランドやメーカーとしての印象を残すことはできません。実際に自社の公式ホームページが文字列だけでは、内容的なものは覚えてもらえるとしても、どこの企業なのか、ブランドなのか、メーカーなのか判別することは難しいでしょう。
キービジュアルは文字列とは違って、直感的に見て、覚えてもらいやすい仕組みであり、潜在的な顧客層や見込み客の心に印象を残すことが可能であり、有効活用することで競合他社やライバル企業との差別化につながっていきます。
キービジュアルの種類
- 映画のポスターで中央に配置されている主役
- 漫画の単行本で登場するキャラクター
- フードコートのマップにあるお店ごとの料理画像
- 美容室の外看板にあるモデルの写真
- Webサイトのアイコンやファビコン、全体的な色合いやデザイン
上記はキービジュアルの種類の一例です。例えば、映画館で何か映画を見ようとした時、ポスターを見て気になった映画を見ることはないでしょうか。同じようにフードコートで食事をしようと考えた時、マップにあるお店ごとの料理を見て「目が留まる」ことでお店を決めることもあるでしょう。
Webサイトのファビコンも同様であり、検索エンジンで何か調べ物をしている時も、検索結果に表示されるファビコンを見て、URLをクリックするのも、前に閲覧した時に印象に残っているからクイックする可能性が高まります。
キービジュアルについてはその他にもたくさんの種類があり、視覚的に心が惹かれること、気になってもらうこと、覚えてもらうことなど、様々な役割を持たせることができるのです。
キービジュアルとメインビジュアルの違い
キービジュアルと似ている用語にメインビジュアルというものがあります。明確には違いがなく、どちらも一番伝えたいことを、一番目立つ形で配置するのが一般的です。前述したフードコートの例で言えば、お店の中で一番人気のある商品、もしくは一番美味しそうに見える商品をメインビジュアルとして配置することで、来店してもらえる可能性が高まります。
Webサイトの場合はロゴやアイコンも含めて、全体的なデザインを覚えてもらうことで、前に見たことがあるホームページ、すなわち信頼できるコンテンツの提供元として、短い時間で直帰や離脱せずに、最後までコンテンツを見てもらえる可能性が高くなるのです。
キービジュアルとブランディングの関係性
ブランディングとは、企業や組織として、もしくはブランドやメーカーとして知ってもらうこと、同時に価値を高めて、価値を理解してもらうマーケティング戦略を指します。キービジュアルは見て、覚えてもらうこと、心に印象を残す効果があるため、ブランディングには必要不可欠といえるでしょう。
実際に大手有名ブランドやメーカーにおいては、一目で覚えてもらえるロゴ、他のブランドやメーカーと間違えにくいロゴが必ずあります。言われるロゴによって差別化することで、自社の商品を選んでもらうという戦略でもあるのです。同様に商品においても、ブランドやメーカーとしての色合いやデザインを組み込んでおくことで、購買意欲を高めて、自然と手にとってもらえるような形に作られています。
Webサイトの場合も同様であり、キービジュアルを組み込んでおくことで潜在的な顧客層に覚えてもらい、商品の購入や有料サービスの利用を促していくことが求められるのです。
キービジュアルによって「見て、覚えてもらうこと」の重要性
次にキービジュアルによって「見て、覚えてもらうこと」の重要性について解説します。
認知拡大や興味関心の育成に必要なものは何か
企業や組織における事業活動において、認知拡大や興味関心の育成は「新規顧客獲得」と「既存顧客の維持」の両方に必要不可欠といえます。では、認知拡大や興味関心の育成に必要なものは何でしょうか。その答えは、「潜在的な顧客層の視野に入って、心に印象を残し、行動してもらうこと」です。
例えば、検索結果の中からタイトルを見てコンテンツに訪れてくれたユーザーが、情報だけを得て離脱してしまえば売上には繋がりません。もちろん、コンテンツマーケティングの基本である「ユーザーの利益優先」なのはもちろんのことですが、企業や組織としても利益が必要です。
Webサイトにキービジュアルを組み込んでおくことで、本来であれば通り過ぎてしまう潜在的な顧客層に認知してもらい、少しずつ安心や信頼を増やすことにつながり、興味関心が育成されていくようになります。
「見て、覚えてもらうこと」で情報が蓄積されていく
ユーザー目線、もしくは消費者目線で考えると、商品を購入する時に同じものを買うのは品質が担保され、信頼があるからと言えます。Webサイトでも同様であり、何度か訪れているうちに信頼してもらい、次の段階として商品の購入や有料サービスの利用につなげていくのです。
そのためにも「見て、覚えてもらうこと」で情報を蓄積していき、潜在的な顧客層の視野に入りやすくして、徐々に安心や信頼を積み重ねていく必要があります。逆に言えば、見てもらっても、覚えてもらえなければ安心や信頼は積み重なっていきません。これらのことからもキービジュアルによって「見て、覚えてもらうこと」が重要であるのは明白です。
明確に差別化されることでブランディングにも繋がっていく
キービジュアルによって、明確に差別化されることでブランディングにも繋がっていくのも重要である点です。実際にキービジュアルによって覚えてもらうことができれば、いつも見ているホームページとして競合他社やライバル企業と確実に差別化されます。
なぜ差別化が必要かといえば、数ある選択肢から選んでもらうためであり、選んでもらえなければ利益や売上はアップしません。キービジュアルにあるブランディングが成功すれば、覚えてもらうことで、選んでもらえると言う効果が生まれるため、利益や売上のアップにつながっていくのです。
新規顧客獲得と既存顧客の維持の両立にも効果的
キービジュアルによって覚えてもらい、選んでもらうということは「新規顧客獲得」が実現している状態です。同じく一度選んでもらうことで、品質に満足してもらい、信頼してもらうことができれば安定的な利益や売上が期待できます。
また、ブランディングにおける差別化は、言い換えると「気に入ってもらうこと」でもあり、ファンやリピーターが増えるということでもあります。すなわちキービジュアルによって、ファンやリピーターが増えるということは「既存顧客の維持」にも効果があるということです。
「新規顧客獲得」と「既存顧客の維持」が両立できるということは、事業活動の継続がしやすくなるという意味でもあります。結果的に企業や組織として成長できるという健全な状態を維持できるようになるということです。
キービジュアルの作り方やポイント
次にキービジュアルの作り方やポイントについて解説します。
キービジュアルの目的を明確にする
キービジュアルを作る時は最初に目的を明確にする必要があります。
- ブランドやメーカーとして覚えてもらいたい
- 新しい商品やサービスを購入してもらいたい
- 商品やサービスの品質を理解してもらいたい
- 他のブランドやメーカーとの違いを理解してほしい
- イベントやキャンペーンを成功させたい
上記はキービジュアルの目的の一例です。キービジュアル自体は見て、覚えてもらうことであり、その先の導線を考えると言った方がわかりやすいかもしれません。
Webサイトで例えるとすれば、企業や組織として、もしくはブランドやメーカーとしてまずは認知してもらい覚えてもらう。その先にはショッピング機能などによって商品を購入、もしくは申し込みフォームから購入できるようにしておくことで、オンライン上からの収益が期待できるでしょう。
同じく会員登録機能や予約機能とともに、オンライン決済できる仕組みがあれば有料サービスへの課金なども実現できるようになります。キービジュアルの目的を明確にしつつ、どのような形で利益や売り上げにするのかを明確にしていきましょう。
ブランドイメージやカラーを必要に応じて盛り込む
キービジュアルの一番難しいところでもあるのが、ブランドイメージやブランドカラーの扱い方です。商品の性質によってはロゴやブランドカラーが反映しにくいことがあるかもしれません。サービスの場合はブランドイメージやカラーを盛り込みやすいので、覚えてもらうためにもしっかりと盛り込んでいきましょう。
Webサイトの場合は、ブランドイメージやブランドカラーを反映しやすいので、ロゴやトップにあるバナーも含めて統一感を持たせながらデザイン配置をすると良いでしょう。ホームページ情報やコンテンツ内に表示されるアイコンなどにも工夫を行い、全体のデザインそのものがキービジュアルであるというイメージで構築していくことが大切です。
一目で覚えて貰えるように情報量を調整する
キービジュアルは見て、覚えてもらうことが目的であるため、一目で覚えてもらえるように情報量を調整することも重要です。ロゴやトップにあるバナー、アイコン、全体的なデザインも含めて、どちらかといえば複雑なデザインにするよりも、シンプルで覚えてもらえやすいキービジュアルにすることをおすすめします。
同時に、コンテンツ内の画像や文章についても情報量の調整を行い、一つのコンテンツごとに満足してもらうことを意識すると良いでしょう。もちろん、コンテンツマーケティングの方向性やキーワードによっては、それなりの文章量が必要かもしれませんので、内容や方向性に応じて調整していくことは問題ありません。
イメージとしては、ホームページのデザインとコンテンツの内容も含めて、キービジュアルとして捉えていくことです。潜在的な顧客層の視野に入る部分全てを、見て、覚えてもらえるように工夫しましょう。
様々なタッチポイントで利用しやすいかどうかも意識しよう
ロゴやトップにあるバナー、アイコン、基本的な色合いやデザインについては、様々なタッチポイントで利用しやすいかどうかを意識することをおすすめします。例えば、SNSの公式アカウントのアイコン、店舗の看板、名刺やパンフレット、またはポスターなどにも扱いやすいキービジュアルにしておくことで、様々なタッチポイントで統一感を持たせることが可能になるでしょう。
同時にWebサイトに訪れた場合においても、既に知っているキービジュアルが視野に入ってくるため、安心してコンテンツを閲覧してくれるようになります。その上で信頼できる情報、役立つ情報、悩みや困り事の解決ができる情報が掲載されていれば、潜在的な顧客層から顧客に成長してもらえる可能性も高まるでしょう。
まとめ:キービジュアルによって覚えてもらい、選んでもらうことが大事
今回はキービジュアルに関する基礎知識、キービジュアルによって「見て、覚えてもらうこと」の重要性、キービジュアルの作り方やポイントについてお話しました。
キービジュアルによって覚えてもらうことができれば、競合他社やライバル企業の中から選んでもらえる可能性が高まります。
知ってもらうだけでなく、覚えてもらうためにも、受け入れやすく、理解しやすいキービジュアルを追求していきましょう。