Webサイト制作は要件定義とサイト設計が成功の鍵を握る
コーポレートサイト、サービスサイト、ECサイト、LP(ランディングページ) 、オウンドメディアなど、Webサイトを制作する際に、どのように制作会社を選び、どのように進めたらいいのかわからないと、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
特に大規模サイトの構築・リニューアルとなると、クライアントと制作会社の意思疎通ができておらず、「デザインはかっこいいけど、使いにくい」「機能追加や仕様変更が多い」「サイトが重くてローディングが遅く、離脱が多い」といったトラブルが起こることも少なくありません。本記事では、Web制作の基本手順をもとに、Webサイト制作の依頼ポイントを紹介します。
Webサイト制作の基本的な流れと注意ポイントは?
Webサイト制作を発注する際は、目的や課題を明確にし、発注側もしっかりと準備をする必要があります。まずはWebサイト制作の基本的な流れを理解しましょう。
要件定義がなければ目的を失った航海と一緒
「商品やサービスなど、自社の魅力を伝えるサイトにしたい」「デザインが古いからかっこよくしたい」といった曖昧な相談内容では、どんなターゲットに何の情報を伝え、どのような結果を得たいのかが伝わりません。
「見込み客に対して自社の商材をわかりやすく伝え、資料請求数の最大化を図りたい」というように、目的とターゲットをしっかり決めることが重要です。
また、どんな内容のコンテンツやページ数、機能が必要なのか、制作予算、コンテンツ内容・ページ数、制作期間やスケジュールを決めないと実際のサイト制作に着手することができません。これらの準備をせずに制作を進めると、追加作業が発生したり、想定していたスケジュールや予算を大幅に超えてしまい、話が違うと制作会社ともめたり、プロジェクトが炎上することがあります。
制作会社と情報を共有しながらサイトを設計し、認識を合わせながら開発を進めることでスケジュールの遅延、追加作業や費用の発生を抑えることにつながります。サイト設計とサイト規模(ページ数・機能など)の作業項目に合わせたスケジュールを作成・進行できるよう事前に制作会社としっかり内容を確定させておきましょう。
サイト設計はサイトの骨組みを作る需要な作業
サイトで伝えたい内容が固まったら、必要な情報や機能、導線を整理し、構造を組み立てます。どの情報をどのページに入れて、どうカテゴライズするか、階層別に構造をまとめたものをディレクトリマップとよびますが、ディレクトリマップを作ることでサイトの構造が一目でわかるようになります。クライアントと製作会社の認識が共通言語化されますので、Webサイト制作を行う場合は必ずサイトマップを元に制作に関する打ち合わせを進めましょう。
サイト全体の構造が決まったら、ワイヤーフレームを作成し、各ページの構造を作成します。ワイヤーフレームとは、Webサイトの各ページのどこに何をどのように掲載するかレイアウトを示す設計図です。
ワイヤーフレームがあれば必要なコンテンツやテキスト、画像のイメージなどを具体化することができますので、ワイヤーフレームもWebサイト制作では必要な情報となります。
ワイヤーフレームを作ることで、「あの機能が抜けていた」「クリックさせるボタンがわかりづらい」「文字フォントが小さすぎて見にくい」といったといった不具合や、不要な機能を実装してしまうことを防ぎます。必要な機能、サイトの文字サイズや導線となるバナー、ボタンの位置、レイアウトなど、設計図通りに制作するための重要な工数です。
デザインを個人の好みで選んではいけない
要件定義をもとに構成を決め、ワイヤーフレームに落とし込んだら、デザインを進めます。ここで注意したいのは、画面デザインだけで判断せず、要件定義や設計された構造に適したデザインを選ぶことです。
よくあるパターンが担当者や決済者の好みでデザインの良し悪しを決めてしまうことです。
デザイン先行で意思決定がされてしまうため、要件定義、サイト設計、管理画面等の機能をまったく考慮しないので制作が進行してから「イメージと違った」「必要な機能が反映されていない」などのトラブルが発生する可能性が高まります。
機能の追加や修正が発生したり、予定の工数を超えたりなど、納期に影響が出るトラブルが起こることもあるので、Webサイトの規模と機能に合ったデザインを選ぶようにしましょう。
また、Webサイトは作って終わりではありません。ターゲットユーザーからのアクセス数などを計測し、サイト制作の目的が達成されているかどうか、その効果を数字で把握する必要があります。
目的と戦略に合った効果検証を行う分析環境やツールを実装することはもちろん、ユーザーが多く訪れ、使いやすいサイトにするための長期的な運用や継続的な改善を提案してくれる制作会社に依頼することも重要です。
失敗しないWeb制作会社の選び方
続いて、信頼できるWeb制作会社を見極めるためのチェックポイントをいくつか紹介したいと思います。
Web制作会社独自の強みがある・専門性の高いスタッフが在籍している
Web制作会社はデザインに強い会社、システム開発に強い会社、集客や市場マーケティングに強い会社、データ分析や効果検証が得意な会社など、それぞれ得意とする専門分野があるので、それをしっかり見極めましょう。
また、ディレクター、デザイナー、エンジニアといった必要最低限のメンバーで構成された少数精鋭の制作会社もあれば、デザイナー・エンジニア・イラストレーター、編集者・ライター・カメラマンなどの制作に関わるスタッフから、Webマーケター、SEOアナリスト、 情報アーキテクト、データアナリストといった専門性の高いスタッフが在籍する制作会社まで幅広くあります。
自社が目的とする制作物に合ったスタッフがアサインされるのか、そしてどのような役割を担うのかなども確認するといいでしょう。また、営業やディレクターだけでなく、そうした専門スタッフと議論や提案が聞ける場を設けることで、目的と予算に応じた製作会社を決めるポイントにもなります。
デザインよりもサイト設計や機能重視で考えてくれる
デザインで制作会社の良し悪しを判断してしまうことが多々ありますが、本当に必要なのはユーザーの利便性や目的まで最短でユーザーを誘導するサイトの設計です。
SEO対策を意識したディレクトリ構造や仕様を考慮することも重要なポイントです。当然デザインがよければいいというサイトもありますが、コーポレートサイトや採用サイトなどは明確な目的のもと設計を行いますので、SEO対策をどのように行うかというのも製作会社選びの指標になります。
ユーザビリティを重視した設計をしてくれる
ユーザーが適切なコンテンツに遷移できるサイト設計になっているか、ストレスなく機能を使いこなすことが実現できるか、収益に直結するシステムが実装できているかなどを、サイトマップやワイヤーフレームを作成してわかりやすく提案してくれる制作会社であれば、想定外の仕様変更や乖離も起きにくくなります。
さらに、どんなツールやプラグインを入れるかなども実装前に提案してくれる制作会社であれば、制作スケジュールや予算が破綻してプロジェクトが炎上してしまうことも防げるでしょう。
ただし、ワイヤーフレームの作成は発注後でないと対応しない制作会社も多いので、発注前にワイヤーフレームをどの程度の精度で作成してくれるのかを確認することをお勧めします。
Webサイト制作を炎上させない制作会社を選ぶには?
信頼できる制作会社を紹介やクチコミで探すのは大変です。Web検索で製作会社を探すことも多いと思いますが、制作会社の自社Webサイトのクオリティは実際の制作案件のクオリティを判断するにはいい材料になるでしょう。
もちろんクライアントの案件が忙しくて自社のWebサイトをリニューアルする暇がない制作会社もあると思いますが、自社のWebサイトに気を使えない会社が本当にいい仕事をこなせるでしょうか。もちろんこの意見には賛否両論あると思いますが、以下のポイントを元に安心できる製作会社を探してみてください。
製作会社が自社のWebサイトに力を入れている 営業担当者が十分な知識を持ち、積極的に提案してくれる ネガティブな意見を伝えてくれる(イエスマンではない) デザイン以外の話を積極的にする(要件定義やサイト設計の重要性など) 見積もり項目が詳細に分かれている
Webサイト制作は信頼できるパートナーを選び、要件定義とサイト設計を明確にすることによって成功します。