企業そのもの、また商品やサービスの認知度をあげるために運営する「コーポレートサイト」。
今やコーポレートサイトを持たない企業は少なく、ビジネス展開するうえで欠かせないものとなっています。
スタートアップやブランディングのため、「新規にコーポレートサイトを作りたい」と考えたときに
「コーポレートサイト制作にはどのくらいの期間が必要なんだ?」
「時間がないので、制作期間を短縮できる方法はないか?」
と疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では
・コーポレートサイト制作にかかる期間の目安
・コーポレートサイト制作期間を短縮するためのポイント
・コーポレートサイト制作の流れ
・制作会社に頼む際に準備としてやっておくべきこと
・制作会社の選び方のポイント
について紹介させていただきます。
このページをご覧いただければ、コーポレートサイト制作のいろは、効率よくコーポレートサイトを短期間で制作するには何が必要かをご理解いただけますので、ぜひお目通しください。
目次
コーポレートサイト制作にかかる期間は?
コーポレートサイトを制作するには、単純にコーディングして公開して終り、ではありません。
「どのような内容を盛り込むか」「どんなコンセプト・デザインのサイトが良いか」という方向性を取り決めるだけでも1か月程度かかってしまうこともあります。
方向性が定まったら、「サイトに掲載する写真素材はどのようなものが良いか」を検討し、それにあった写真を撮影して準備したり、フリー素材や有料素材を利用する場合も選定しておくことも必要です。
その他、掲載するインタビュー記事の準備、社長挨拶の文面の準備、企業理念といった素材も準備してから、サイト開発がスタートします。
ですから前準備にもそれなりの時間がかかってしまうことを逆算して、公開予定日に間に合うように進めていくようにしなくてはなりません。
開発するサイト規模によってもかかる期間は変わってきますので、サイト規模別の制作期間の目安については後述しますのでご参照ください。
コーポレートサイト制作には最低2ヶ月程度かかる
コーポレートサイトを制作するためには、最低でも2か月程度はかかると考えておくと良いでしょう。
ただし、1ページだけで構成するランディングページ(以下LPと記載します)の場合には、1か月前後で完成できることも多いので、とにかく時間がない場合などはLPを制作し、段階的にコーポレートサイトを構築し公開していく手法が選ばれることもあります。
サイト規模別製作期間の目安
コーポレートサイトの制作期間はサイト規模により変動する、とお伝えしました。
具体的にどのくらいのボリュームで、どの程度の制作期間がかかるか表にまとめました。
一般的なコーポレートサイトで採用されるボリュームは、10P前後から30P前後です。
商品カタログのようなコーポレートサイトになると、商品数にもよりますが100P以上となることもあるでしょう。
サイト規模 | 制作期間 |
1ページ(LP) | 1ヶ月前後 |
〜5ページ | 2ヶ月前後 |
5〜15ページ | 2〜3ヶ月 |
30ページ | 4〜4.5ヶ月 |
100ページ程度 | 8〜9ヶ月 |
コーポレートサイトの制作期間を短くするための5つのポイント
制作期間の目安をご覧になって、「想像していたより時間がかかるな」と感じていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
時間がかかるには、冒頭でお伝えしたような前準備にも時間がかかること、規模によりコーディングにも時間がかかること、だけが要因ではありません。
実際開発期間が長引きやすい要因として、「デザインやコンセプトが定まり切っていないことで、途中修正が多くなる」「前準備が足りておらず開発と並行して素材準備をしていて時間がかかってしまった」ということも挙げられます。
このような開発期間を長引かせる要因を作らず、効率よくできるだけ短期間でコーポレートサイトを制作するための5つのポイントをまとめました。
・大規模なHPでなくLPを作成する
・どのようなサイトとするか目的やコンセプトを固めておく
・(小規模であれば)外注せずワードプレスで自社制作する
・参考にしたいコーポレートサイトをピックアップしておく
・決定権がどこにあるのかハッキリさせておく
それぞれ詳しく解説していきます。
①大規模なHPでなくLPを作成する
ページ数が多いコーポレートサイトは開発に時間がかかります。
「どうしても時間がない!」そんな時には、まずはLPを制作して公開してしまおう、というのも一つの手法です。
1ページに情報を盛りこむLPでは、あまりに長くなってしまうとLPとしてのメリット(読みやすい・短時間で必要な情報だけチェックできる)が損なわれてしまいますから、どのような情報を盛り込むかしっかりと検討する必要性があります。
まずはLPで認知度を高め、最初に伝えておきたい情報を盛り込み、その裏でコーポレートサイトを開発し順次公開していく手法もあります。
②どのようなサイトとするか目的やコンセプトを固めておく
コーポレートサイトの制作期間が長引く要因としてご紹介した「途中修正が多くなってしまう」ことを回避するのに、もっとも重要なポイントです。
コーポレートサイト開発の目的は何か、どのようなデザインにしたいのか、をしっかり定めておけば素材の準備も、開発もスムーズに進めていくことができます。
特にサイト開発を外注する場合には、しっかりと方向性を定めずにいたことで途中修正が多くなりすぎると、当初の開発予算ではおさまらずコストも嵩んでしまう原因にもなります。
③(小規模であれば)外注せずワードプレスで自社制作する
小規模なコーポレートサイトを制作する場合には、外注せず、自社制作することで制作期間を大きく短縮することもできます。
その際おすすめなのが、近年多数のサイトで採用されているワードプレスを利用すること。
レイアウトもあり、ある程度パターン化されたところからの構築もできるため、プログラミング知識が無くてもサイトを構築し公開できます。
大規模であったり、かなり凝ったサイトを作る場合にはおすすめできませんが、外注するのとは違い、会社間のやり取りや認識の共有も必要なくなります。
④参考にしたいコーポレートサイトをピックアップしておく
どのようなサイトにしたいのか、参考となるものをピックアップすることで、具体的な認識共有がしやすくなります。
より具体的に、「採用ページはこのサイトのこの部分のような感じにしたい」「色味はこのサイトを参考にしたい」と見極めておくと、よりスムーズになります。
⑤決定権がどこにあるのかハッキリさせておく
これもサイト開発期間を長引かせる要因の1つですが、「最終決定は誰がするのか」が明確でないというのは致命傷にもなりやすい為、はっきり明確にしておく必要があります。
そのうえで、その決定を簡単に覆さない、ということも重要なポイントであることはいうまでもないでしょう。
コーポレートサイト制作の流れ
コーポレートサイト制作には以下のような工程があります。
①企画・設計
企画設計という工程は、いわゆる前準備の第一段階です。
・コーポレートサイト制作の目的
・サイト(ページごと)に盛り込みたい内容
・コーポレートサイトのコンセプト
・参考にするサイト
・サイトデザイン(色味・レイアウトなど)
・最終決定権はどこか
・【外注する場合】連絡窓口はどこか
後の工程をスムーズに進めるために、上記7つの要素をしっかりと固めておくことが重要です。
ここがしっかり固まっていないと、ずるずると開発期間が長引いたり、制作費用が嵩む要因にもなります。
また外注する場合には、ここでサイト開発を依頼する業者の選定も行います。
②制作
制作する際、外注する場合には自社窓口と打合せなどを通じて、認識を共有したうえでコーディングが進められていきます。
その際には、制作会社は設計書や見積書など必要資料を制作し、認識に齟齬がないか確認したうえで開発がスタートしますから、このための期間も必要になることも考慮しておかなくてはなりません。
自社制作する場合であっても、外注する場合であっても、サイトに掲載する文言(キャッチコピー)や、文面、画像、動画などの準備が必要です。この準備にも相応に時間がかかることも想定しておきましょう。
動画制作は時間がかかる作業ですが、定型的な構成を参考にすることで制作期間を短縮できます。
③納品
外注の場合、制作されたHTMLファイルなどを受け取り、自社で公開するか指定したサーバのフォルダにアップロードしてもらうことで行われます。
納品物を受け取り、自社で検収作業を行いますが、内容に相違ないか、機能面でおかしなところはないかなど確認作業に時間が必要になります。
④保守・運用
サイトを公開してから、ページの追加をしたい、一部を変更したい、といったことがあったとき、制作会社で対応可能してもらえるのか、運用方法を知らせてもらい自社対応することとなります。
基本的には納品され、検収完了とした時点で「問題なく完了した」というステータスになりますから、後から変更がある場合などは再度料金が発生するのが通例です。
ただし契約内容によって、業者にもよりますがアフターフォローが含まれているケースもありますから、確認してみましょう。
制作会社へ依頼する前にやっておきたい3つのこと
コーポレートサイトは自社制作すれば時間もコストも削減できますが、デザインや機能面にこだわるとなると難しく感じられる部分も大きいもの。
制作会社に外注するケースで、認識の齟齬でトラブルになってしまったり、納品が遅れる要因とならない為に重要な3つのポイントをまとめましたので確認していきましょう。
①事前にサイト制作の方向性を決めておく
外注する場合にもっとも重要なポイントが「方向性をしっかり定めておくこと」です。
中には、制作会社に窓口担当が伝えた通りに作成したのに、最終決定を下す方が「ここはこうじゃない」と言い出して大きく覆される、というのはシステム開発の現場アルアルですが、実際に起こるとかなり現場が疲弊する問題です。
そうならないために、最終決定権を持つ人物を含めて、依頼する前にコンセプトや、デザイン方針、どのようなサイトにしたいかを社内で確定させておきましょう。
②制作会社と事前に決めた方向性や目的の共有
制作会社との打合せでは、社内で定めたコンセプト、デザイン方針、参考サイトなどを提示しながら、認識の共有をしっかりと図っておきましょう。
その際、「なぜこのサイトを作成したいのか」という目的も共有しておくことで、開発時にデザインなどで惑うことなく進められる場合もあります。
認識の齟齬がないか確認するために、サイトマップやデザイン案、基本設計などを作成してもらい確認するようにします。
また提供する素材(キャッチコピーや文面・画像・動画)などについても、伝えた上でデザイン案を提供してもらうようにできると、よりスムーズです。
③担当者との相性の確認(連絡のとりやすさなど)
サイト制作を依頼する際、担当者との連絡のとりやすさや、話をしていて不信感を持つ部分がないか、なども確認しましょう。
中には多忙すぎたり、管理がずさんでその後の工程が滞ってしまうケースもありますので、依頼前に確認したいポイントです。
コーポレートサイト制作会社選定時の5つのポイント
コーポレートサイト制作を外注して、思わぬトラブルになったり、「期日に間に合わない!」ということにならないため、以下の5つのポイントで依頼先を選定しましょう。
・目的にあう実績がある会社か
・連絡はスムーズにとれるか
・サイト構成・デザインの希望を汲んでくれるか
・モバイル対応は可能か
・アフターフォローの有無(分析・改善の対応)について
①目的にあう実績がある会社か
コーポレートサイトにも様々なものがあり、例えば企業としての紹介を目的としたものや、新規採用のためであったり、店舗の認知・自社商品認知・通販サイトとしての機能を備えたものなどもあります。
それぞれに適したレイアウト・構成・デザインなども異なりますから、見合う実績のある会社に依頼することが重要です。
②連絡はスムーズにとれるか
何かあったときになかなか連絡がとれない、となると安心して制作を依頼できず、スムーズな開発も叶いません。
連絡方法や連絡可能な時間帯についても確認しておきましょう。
③サイト構成・デザインの希望を汲んでくれるか
依頼する際、伝えた希望をしっかりとくみ取ってくれるかどうかも重要です。
中には制作会社側で、連絡窓口と実際に作業をする担当者間の連携が図られていないために、要望が伝わらないケースもあります。
依頼前にそのような可能性がないかどうか、こちらが伝えた希望を汲んだ内容でサイトマップなどの資料が作成されているかしっかりチェックしましょう。
④モバイル対応は可能か
近年ではコーポレートサイトもスマホ対応していることが多くなりました。
モバイル対応していない企業では競争力も落ちてしまいますから、依頼先がモバイル対応もしているのか事前確認しつつ、その際の料金についてもあわせて確認しておきましょう。
⑤アフターフォローの有無(分析・改善の対応)について
ページを追加したい、画像を入れ替えたい、といった要望が発生することが懸念される場合には特に確認しておきたいポイントです。
検収完了後の変更や修正は別料金で対応可能な場合も多いですが、契約内容によっては料金に含まれていたり、運用費用として計上されていることもありますので、確認しておきましょう。
まとめ
ここまでコーポレートサイト制作の流れ、制作期間を短くするためのポイントなどお伝えしてきました。
小規模なサイト制作であれば、自社制作することで効率的に進めることもできますが、その際にはこちらでご紹介したような前準備をしっかりとしていただくことで、より効率よく制作していただけるはずです。
また大規模なサイト・機能的なページの制作・デザインにこだわったサイト制作は、こちらでご紹介した制作会社選定時のポイントを踏まえていただければ御社にあった制作会社を見つけていただけるでしょう。
今や本社ビル以上に、企業の顔として機能しているコーポレートサイトですが、ポイントを抑えて進めなければ制作期間が長引き、企業としての認知を高めるチャンスを損なう可能性もあります。
本記事をお読みいただいた皆様におかれましては、ポイントを抑え、前準備もしっかり備えていただけ、スムーズなコーポレートサイトを立ち上げられるのではないでしょうか。
目的にあったコーポレートサイト制作のお役に立てましたら幸いです。