企業は求職者のエントリーを促すために、さまざまな工夫を凝らしています。
その中でも、社員インタビューを取り入れたサイトは、採用サイトの価値を底上げするために積極的に取り入れられるようになりました。
しかし、いざ質問を考えても、採用サイトの価値を高めるような回答を社員から引き出すことはなかなかできません。
そこで、本記事では、インタビューの具体例を挙げ、面接の考え方や優れた採用サイトの特徴を解説します。
社員インタビュー例の一覧
まず、代表的な3つのカテゴリーから、それぞれ面接の質問例を紹介します。
仕事内容について
- 実際にどのような仕事内容?
- 仕事の全体的な流れは?
- 仕事で成功したことは?
- 仕事でつまづいたことは?
- 苦労したときどうやって解決した?
- スキルやノウハウはどうやって手にした?
- 転勤・異動はどのくらいあった?
- チーム内や署内のどの立場(ポジション)で仕事をしているか?
- 社員教育や経営陣のマネジメント方針は?
新卒や転職、中途採用などで、自社の仕事に興味がある人をさらに惹き付けるには、実際の現場を現行の社員が語ることがとても効果的です。
仕事を題材にした質問をリストアップしましょう!
会社そのものや社員について
- どんな会社?
- 職場の雰囲気は?
- 社員の人間関係は?
- 担当している仕事の面白さはどこにある?
- チーム内で大変だと感じることは?
- 中途採用者の評価機能はしっかり機能しているか?
- 入社後、社員へのフォローアップ体制や教育は充実していたか?
求職者が社員インタビューに求める情報について、会社の社風や社員同士の関係なども知りたいと思っています。
会社の雰囲気、休日の過ごし方など、社員自身や会社に関する質問がを中心に考えてみましょう!
インタビューイ当人について
- 給料に満足してる?
- 入社前後でギャップを感じた?
- 趣味や特技を仕事に活かせてる?
- 学生のときはどの分野・テーマを学んだ?
- 学生のときの経験は仕事にどう活用されている?
- 学生時代にしておけばよかったことは?
- 志望理由は何?会社に入ったときの志望動機は?
- 仕事が日常で何かに役立ったことはある?
- リフレッシュ方法は?
- 休日の過ごし方は?
同じ会社の同じ職場に身をおく社員であっても人それぞれ感じ方が異なり、仕事をする事情や背景が回答に反映され、様々な色が出ておもしろいです。
会社全体からの意見ではなく、個人の意見を交えた体験や経験を求職者に示せるような質問をしましょう。
※別記事にて、動画を用いた特徴のある採用サイトも紹介しております。
インタビューの内容と効果
上記セクションに掲載しました質問はなぜ必要なのでしょうか。載せる効果・メリットなどは次のとおりです。
仕事内容について
新卒者、転職者、中途採用者など、自社の仕事に興味を持つ人に興味を持ってもらうためには、社員が実際の現場の話をすることが効果的です。
これにより、採用ホームページを見た人が応募する際の判断材料になり、応募時の迷いを低減させることができます。
企業側にとっても、入社前と入社後の希望職種にズレが生じにくいため、採用に関わる人事の負担を軽減できるメリットがあります。
さらに、企業の社会的役割や部署、ジャンルなどを知ることで、スキルやノウハウを活かせたり役立てられる会社として優秀な人材にアプローチできます。
会社そのものや社員について
社風や職場の雰囲気、人間関係、仕事との向き合い方などを中心に質問することが大切です。
人間関係の良好さや実際の苦労体験などがあれば、インタビューに現実味が増し、会社がホームページで一方的に宣伝するよりも、求職者からの信用が生まれやすいでしょう。
特に社風や職場の雰囲気は企業概要だけでは伝わりにくいものです。
会社や社員について質問したインタビューの記事は、求職者が会社を理解するのに大いに役立ちます。
そしてここでも「入社したが社風や職場環境が思っていたものと違っていた」というミスマッチを防ぐことができます。
以上のように、会社に対する社員からの目線をキチンと掲載することで、求職者が入社後のイメージを明確にしやすくなり、採用後は社員との円滑なコミュニケーションを図れるでしょう。
インタビュイー当人について
社員インタビューで会社や仕事とは関係のない個人の経験を語らせることは、求職者にとって親近感が湧き、「社員の本音を聞けるインタビュー記事」という印象を読んだ人に与えられます。
特に学生時代の経験と現在の就職・転職の経験談があれば、「自分も同じ境遇にいる」と共感を得られます。
求職者の学生時代や趣味などの経験が一致して、会社が求める優秀な条件にマッチした人材を集めやすくなります。
しかも、インタビュー項目の「仕事内容について」・「会社や社員について」では聞けないことを中心に質問を構成できるのも魅力です。
以上より、仕事や会社以外のことにも関心を向けている求職者の興味も引けるでしょう。
採用サイトで閲覧数の多いページとは?アクセス解析から分かる採用戦略
相手が本当に知りたいことを、こちらから知らせる
良い採用サイトの特徴として1つ挙げるとしたら、「知りたいこと+載せたいこと+求職者(検索者)が本当に知りたかったこと」を伝えられるようなコンテンツが作られていることです。
参考資料にもあるように、仕事をするうえで必要な「具体的な仕事内容」や「社員・企業文化」、経営方針や事業戦略などは、求職者は事前に情報を集めているものです。
そのため、情報の差別化を図るために、採用サイトを作る目的に添った質問や回答を考えて、上記の情報をカバーできるように内容を決めて掲載することが必要です。
※(参考資料:’就職白書2022’内「学生:就職活動で知りたいと思っていたもの」:
https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/hakusho20220221_01-1.pdf)
社員インタビューの目的
企業側が社員インタビューをする目的は、掲載を通じて以下のような効果を得るためにあります。
- 全応募数を増やす
- 特定の特徴を持つ人々からの応募を増やす
- ミスマッチを減らす
- 自社の認知度を高める
- 企業理念をアピールする
目的を踏まえたうえで、いかに検索者が本当に知りたかったことを載せるかがキーポイントです。
何がきっかけで自社に興味を持つのか、人それぞれに違いはあります。しかし、その1つの手段として、社員インタビューによる面白さの提供は、アピールにつながるのです。
インタビューで語られる内容を求職者が実際の体験のように捉えられるため、仕事内容や働き方をもとに企業理念を伝えることもできるでしょう。
採用サイトの社員インタビューを見て知りたいこと
ここからは、採用サイトがより良くなる仕事内容についての質問を4つ紹介します。
休日出勤や残業、労働時間と生活の兼ね合いは?
ビジネスマンにとって、ライフワークバランスはとても重要なことです。
求職者は現場で働いている人の仕事面だけでなく、きちんと心身ともに健康的で充実した生活ができているかも気になります。
仕事内容と聞くと仕事ばかりに目が向きがちですが、日常生活とのバランスが取れており生活を大事にできているかも大きなポイントです。
休日出勤や残業、長時間労働などで家庭生活に影響を受けやすい部分があることがわかったり、はたまた福利厚生がしっかりしていることをアピールできれば、会社にとっても検索してきた人に対して、自社の魅力を伝えられます。
年間の休日数や平均残業時間を明示するだけでなく、福利厚生の内容についても社員インタビューで語らせてアピールしましょう。
社内制度は活用できる環境にあるか?
中小企業やベンチャー企業をはじめ、独自の社内制度や福利厚生を設けている企業が増えています。
「会議で突飛なアイデアを出した社員に金一封を進呈する」というユニークな制度を採用している企業もあります。
充実した社内制度や福利厚生は社員のモチベーションを向上させます。
また、求職者にとっても、入社したいという大きな動機付けになります。
社員がインタビューの中で社内制度を活用していることが示せれば、求職者の今後のキャリアに対しても安心感が生むことができます。
どのような時にやりがいを感じるか?
やりがいにつながる仕事があることを知れれば、会社と求職者のミスマッチを防ぐことができます。
特にキャリアプランを重要視している求職者にとっては、やりがいは大きな判断材料です。
「仕事に何を求めるか?」は人それぞれですが、「せっかくなら、やりがいのある仕事をしたい」という求職者とのマッチングを促せます。
理想のキャリアプランについて、今後の成長目標や積み上げたい経験はあるか?
年功序列や終身雇用の形態が見直されるのにともない、求職者にとって「スキルアップできるか?」は大きなテーマになっています。
資格取得を支援する、研修や教育に力も入れるといった企業も増え、今後もキャリアプランへの関心は高いでしょう。
優れた採用サイトの特徴
優れた採用サイトには、社員インタビューに関連した以下のような特徴があります。
- インタビューの回答者に偏りがない
- 回答の内容がはっきりしている、質問掲載(読むだけで回答から容易に想像できる)
- 内容が薄くない(3~4段落で1人の社員にピックアップしていることが伝わる)
- 回答をコントロールされていない(本音を聞いている)
まずは、社員インタビューの対象者が職位や部門、性別に偏りがないことです。
さまざまな年代の人から選出されており、まったく異なる環境や背景を含みます。
感じ取り方も仕事の取り組みに対する姿勢も人によって違うからこそ面白さを引き出せる、多彩なインタビュー記事を掲載しています。
また、回答形式をQ&Aにしておらずとも、回答部分を読めば、質問内容が容易に想像がつく社員インタビュー記事を生み出していることも特徴です。
そして何より、インタビュー内容が凝縮されており、あっさりした質問で終わっていないことです。
社員の本音もしっかりと記事に入っていて、読むだけで仕事の経験をリアルに感じられるコンテンツを読者目線で設計しています。
いまいちな採用サイトの特徴
反対に、いまいちな採用サイトでは、次のような特徴が確認できます。
- 企業に回答をコントロールされ、社員の本音やリアルさを感じない
- 編集カットなどが多分に含まれる
- 回答が良いことばかりで会社を褒めることしか書かれていない
- 回答した社員の精神論をそのまま載せて、社内のブラック体質をさらす
以上から、いまいちなサイトは、求人募集に書かれている耳障りの良い言葉や会社に都合の良い部分だけを載せてインタビューとしていることです。
「アットホームで」「社内研修があるから安心」など、具体性のない「誘導されたインタビュー」と読者が感じる記事を載せることは、よくありません。
たとえそれが、意図していない、そのまま記載した社員インタビューだったとしてもです。
真剣に就職先を探してさまざまな社員インタビューを目にしてきた方にとっては、内容の薄さや恣意的な内容が見透かされるため、本当に欲しい人材が集まらなくなるどころか、企業ブランドとしてもむしろマイナスです。
まとめ
今回は、質問例で見る社員インタビューについて採用サイトの価値を底上げする内容に導くためにはどのような質問を行い、記事を掲載するのかについて取り上げました。
これから新たにサイト制作をする場合は、以上のポイントを押さえた質問項目を作り、検索ワードに一致した社員インタビューを掲載することが求められます。
そのためにもまずは、求職者の満足する内容を記事内に掲載することです。
うまくいけば、社員インタビューを見た求職者の応募や問い合わせにつながるでしょう。
また、ユニークな採用サイトを紹介している記事もございますので、制作の参考にぜひご覧ください。