AMPとは?対応方法やメリットについて解説
AMPとは、スマホにおいてページを高速で表示させる仕様のことです。近年ではこのシステムを導入するWEBサイトが増えてきましたが、具体的にどのような対応をすればいいのか分からない担当者もいるでしょう。
この記事では、
- AMPとは何か
- 仕組みや構成
- メリット・デメリット
- 対応方法
について解説していきます。この記事を読むことで、仕組みやメリットについて理解できるので、自社サイトに導入すべきかどうか判断できるようになります。また、対応方法も分かるので、導入にも対応できるようになるでしょう。気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
AMPとは
AMPとは「Accelerated Mobile Pages」の略称で、スマホにてWEBページを高速で表示させるための仕様のことです。導入されているページはカミナリマークが表示されるので、一目でわかります。
Googleによると、この取り組みはWEBサイトが全てのユーザーにとってより良いものになるために導入されたと言われています。そのため、どのデバイスにも対応し、高度なパフォーマンスを発揮することを目指しています。
高速表示される仕組み
AMPによって高速で表示される理由は、専用のソースコードが記述されているからです。通常WEBサイトは、HTMLやCSS、JavaScriptなどといったファイルから構成されています。その際、それぞれのファイルをサーバーからブラウザへと読み込まなければならないため、時間がかかってしまいます。
そこで専用のソースコードでは通常よりもシンプルな記述を行います。これにより、通常よりも読み込む情報が少ないため、速く表示できるのです。
また、Googleでは「Google AMP Cache」という仕組みも利用しています。この仕組みははキャッシュの一種で、AMPを施したページの情報を一時的に保存する仕組みです。これにより、通常よりも早くデータを呼び出すことができるのです。
3つの構成要素
ソースコードは、以下の3つの要素から構成されています。
- AMP HTML
- AMP JS
- AMP Cache
これらの要素は高速で表示させるためだけに使用されるもので、非常に限定的な仕様がなされています。全ては読み込みに時間を掛けないために行われており、他の仕様に応用されることはありません。
AMPのメリット
AMPには5つのメリットがあると考えられています。
- ページが高速で表示される
- ユーザーフレンドリーになる
- クリック率の向上を期待できる
- 検索結果で通常とは違うかたちで表示される
- 上位表示される可能性がある
これらのメリットについて知ることで、より効果的なサイト運営ができるようになるでしょう。ここからは、それぞれのメリットについて解説していきます。
ページが高速で表示される
AMPを導入することによって、WEBページが高速で表示されるようになります。AMPではJavaScriptの仕様が限定されているため、広告の読み込みなどが制限されます。これにより、必要最低限のコンテンツのみが表示されるようになります。
また、2回目以降アクセスする場合は、キャッシュによってさらに速く表示されることも期待できるでしょう。
ユーザーフレンドリーになる
ページが高速で表示されることにより、ユーザーフレンドリーになります。
ユーザーにとってページの読み込みに時間がかかるサイトは不便です。なかなか表示されないとサイトに対してネガティブな印象を持つでしょう。また、場合によっては離脱する可能性もあります。
AMPはこうした事態を回避することが可能です。速く表示することでより便利なサイトとなり、ユーザーにとって快適な体験を提供できます。
クリック率の向上を期待できる
さらに、クリック率の向上を期待できます。同じようなコンテンツがあった場合、AMPを知っているユーザーなら、より速く表示されるコンテンツを選ぶでしょう。
通常ならば、ページの表示速度が速いかどうかは開くまで分かりません。一方AMPの場合カミナリマークが表示されるので、ユーザーが一目で高速表示できるページかどうか判断できます。こうした性質から、クリックしてもらいやすくなるのです。
検索結果で通常とは違うかたちで表示される
AMPページは通常とは違うかたちで表示されます。モバイル版ではカルーセルといって、横スクロールの一覧で表示されます。するとそれ以外のページよりも目立って見えるので、ユーザーに認識されやすくなるのです。
そのため、ページをクリックしてもらえるだけでなく、サイトそのものの存在を認知してくれる可能性もあります。すると最終的にはユーザーからの信頼も得られるでしょう。
上位表示される可能性がある
AMPによって上位表示される可能性もあります。それは、高速表示できるページがユーザーフレンドリーであるため、検索結果の上位に表示される例もあるからです。すると、これまでなかなか上位に表示されなかったページでも、上位表示を狙うこともできるかもしれません。
なお、AMPそのものがSEO効果をもたらすというわけではありません。あくまで、モバイルにおいて上位表示される可能性があるということですが、試してみる価値はあるでしょう。
AMPのデメリット
一方でAMPには4つのデメリットがあります。
- アクセスが減ることがある
- 上手く対応できないことがある
- 運用工数がかかる
- 広告が制限される
デメリットについても考慮することで自社サイトに本当に必要かどうか判断できるでしょう。以下では、それぞれのデメリットについて解説していきます。
アクセスが減ることがある
AMPページにすることにより、アクセスが減少する可能性があります。その理由は、強調スニペットのようなリッチリザルトに表示されないからです。
リッチリザルトとはGoogleの検索結果において一般的な表示方法とは異なる形で表示される仕様のことです。目立ったかたちで表示されることから、アクセス向上を期待できます。
ところが導入するとリッチリザルトに表示されなくなることがわかっています。こうした性質から、アクセスが減少するかもしれないと言えるのです。
上手く対応できないことがある
WEBサイトによっては、上手く対応できないことがあります。特に普段HTMLなどのファイルを扱わない方がAMPページの作成に挑戦しても、エラーが発生したり、表示が崩れてしまったりすることもあるでしょう。
運用工数がかかる
そして最大のデメリットが、AMPの導入によって運用工数がかかってしまうことです。通常のWEBページ作成と比較すると、余計にAMPページ分のファイルを作成しなければならないので一目瞭然です。
また、ページに修正が必要になった場合、2つのファイルを修正しなければならない場合もあります。こうしたファイル管理の手間もかかってしまうのが難点です。
もし運用工数に見合ったアクセスが見込めないのであれば、無理に高速表示に対応する必要はないでしょう。
広告が制限される
AMPによって広告が制限されてしまうのもデメリットです。AMPは高速表示することが最大の目的なので、広告によっては表示されない場合もあります。もしアフィリエイトなど広告の掲載によって収益を得ているならば、直接売り上げに響いてしまうでしょう。
これまで広告で大きな収益を得ていたのなら、高速表示にすることでかえって逆効果になってしまうことも考えられます。
AMPに対応する方法
AMPに対応するには、AMPページを作成する必要があります。また、作成するだけでなく、正しく設定できているかどうか確認することも重要です。
ここからは、AMPページの作成方法と確認方法について紹介していきましょう。
AMPページの作成
AMPページを作成する際は、4つのステップで進めていきます。
- HTMLファイルを作成する
- 文字コードをUTF-8とビューポートに設定する
- 通常のページとAMPページを紐づける
- クローラーの設定を行う
なお、HTMLの詳しい作成方法は公式ページの「AMP HTML ページの作成」にて確認できます。ぜひ合わせてご確認ください。
出典:WordPress
また、WordPressで自社サイトを運営している場合はプラグインの活用がおすすめです。プラグインを活用することで、自動で生成できるようになります。また、検証ツールもあるので、エラーが発生した際にも対応できます。
HTMLの作成ができないというかたはぜひ試してみてください。
設定できているか確認する方法
AMPページを作成したら、設定できているか確認しましょう。この記事では、4つの確認方法を紹介します。
①AMPテストの実施
出典:AMPテスト
Googleが提供している「AMPテスト」というチェックツールを使って確認することができます。このツールでは、確認したいページのURLを入力するだけでチェックできます。時間がかからず簡単な方法なので、どなたでも活用できるでしょう。
②Chromeのデベロッパーツールの活用
Chromeのデベロッパーツールでも確認できます。具体的な方法は以下の通りです。
- 確認したいページを開く
- URLの最後に「#development=1」を追加する
- 右上のメニューから「その他」を選択し「デベロッパーツール」を開く
- 「Console」を開く
ここで「Powered by AMP HTML – Version〜」と表示されていたら設定が完了しています。
③Google Search Consoleでの確認
Google Search Consoleの場合は、以下の手順で確認します。
- Google Search Consoleを開く
- 「検索での見え方」を選択する
- 「Accelerated Mobile Pages」を選択する
するとAMPに対応しているページと、エラーページが表示されます。エラーが発生しているページがある場合は、修正を行いましょう。
④構造化データテストツールの活用
出典:構造化データテストツール
Googleが提供している「構造化データテストツール」というツールでも確認できます。確認方法は以下の通りです。
- 構造化データテストツールを開く
- URLを入力する
- テストを実行する
テストを実行すると結果が表示されます。エラーメッセージがなければ設定が完了しています。もし表示された場合は、修正を行いましょう。
まとめ
この記事では、AMPについて解説していきました。AMPを取り入れることによって、WEBサイトを通常よりも速く表示させることが可能です。こうした特徴から高速表示を採用しているメディアもあります。
しかし一方で、AMPを取り入れることで運用工数が増えてしまうというデメリットがあります。また、広告によっては表示されない場合もあるので、収益が減ってしまう可能性もあります。
こうしたメリットとデメリットを理解することで、自社サイトに必要かどうか判断できるようになるでしょう。導入しようか迷っている担当者の方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。