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サードパーティークッキーとは? なぜ規制されるのか?代替技術も解説

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「サードパーティークッキーとは一体どういったものか」

「なぜ廃止・規制されるのだろう」

「サードパーティークッキーに代わる技術はどういったものだろう」

こんな悩みをお持ちでないですか?

本記事では、2022年から2~3年以内には廃止されるサードパーティークッキーに関して解説いたします。

この記事を読めば、近年強まっているサードパーティークッキー規制や代替技術についても分かるようになります。

いつ廃止されても対応できるように、サードパーティークッキーに関して理解を深めておきましょう。

サードパーティークッキー

あるショッピングサイトを見た後に別のウェブサイトを閲覧していると、さっき見ていた商品の広告が表示されていた経験はありませんか。

気持ち悪かったり、怖いと思ったことがある人もいるでしょう。なぜ無関係なサイトが、自分の興味ある商品を知っているのでしょうか。

これはサードパーティクッキーが原因です。

サードパーティークッキーとは?

サードパーティークッキーとは「訪問したことがないサイトのドメインから発行されるクッキーのこと」です。

いわば、ユーザーがアクセスしたWebサイトとは違うドメインから発行されるユーザー情報のかけらだと言えます。

そのため、アクセスしたWebサイトに広告が掲載されているとき、クッキーは訪れたドメインと同時に、広告を設置しているサーバーからも発行されるのです。

ドメインを横断したトラッキングができる強みを持っている一方で、ユーザーからブロックされやすいという弱点も持っています。

また、閲覧履歴から一人ひとりのユーザーに合った情報を提供できる反面、ユーザーの個人的な情報を収集しすぎてしまいます。

こうしたデメリットが問題視されたサードパーティークッキーは、個人のプライバシーを侵害する恐れがあるとして廃止されることになりました。

そんなサードパーティークッキーは「GoogleChromeの設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「Cookieと他のサイトデータ」>「すべてのCookieとサイトデータを表示」といった流れで操作すれば確認できます。

どういったドメインがCookieを発行して自分のユーザー情報を収集しているのか気になる人は、ブラウザの画面右上にある縦3点アイコンをクリックしてみましょう。

Cookieとは?

そもそもCookie(クッキー)とは何でしょうか。

Cookieは「サイトに訪問したユーザーの情報を一時的にブラウザに保存する仕組みのこと」で、ECサイトやSNSなどでよく活用されています。

皆さんは実際にECサイトでネットショッピングしていて、前に一度閲覧したページや買い物かごの情報が残っていた経験はありませんか?

実はあの現象もCookieが発行されてユーザー情報が保存されたために起きていたのです。

最初のアクセスでは、サーバーはユーザー情報を認知して、ユーザーにクッキーを発行します。

2回目以降のアクセスでは、ブラウザがサーバーにクッキーを渡し、サーバーはユーザー情報が前回と同じかどうか照らし合わせます。

このように、Cookieを発効すれば以前のログイン情報が自動的に残るため、2回目以降のアクセスではログインする度にパスワードやIDを入力しなくてよくなりました。

Cookieが登場したことでユーザーの利便性が飛躍的に上がったのです。

そんなCookieは実は2種類あることをご存知でしょうか。

サードパーティークッキー以外にもう1種類、ファーストパーティークッキーというCookieがあります。

ファーストパーティークッキーとは?

サードパーティークッキーに対してはファーストパーティークッキーがあり、これは「同一ドメインから発行されるクッキー」を意味します。

サードパーティークッキーのように異なるドメインを横切って追跡はできませんが、ユーザーからはブロックされにくいものです。

Webサイトを訪れたことのない人へ発行さるサードパーティークッキーとは異なり、ファーストパーティークッキーは訪れたことのあるWebサイトから発行されます。

どちらもWebサイトにアクセスしたユーザーの情報をブラウザに保存できますが、「どこから発行されたか」という違いがあります。

間違われやすい両者をしっかりと区別しておきましょう。

サードパーティークッキーはどんな時に役立てられる?

サードパーティークッキーは次の4つの状況で役立てられることが多いです。

・リターゲティング広告

・アトリビューション分析

・アフィリエイト

・広告の効果測定

以下では、さらに詳しく見ていきます。

リターゲティング広告

リターゲティング広告とは「一度Webサイトに訪問したことのあるユーザーにターゲットを絞って訴求できる広告のこと」です。

ユーザーの行動をもとに「どんなことに興味・関心がある人物なのか」ユーザー像を判別し、その人に合った広告を配信できることから、追跡型広告とも呼ばれます。

そんなリターゲティング広告は費用対効果が高く、数多くの企業が導入していましたが、サードパーティークッキーが廃止されると、この先継続できなくなってしまうでしょう。

そのため、現在リターゲティング広告を出している企業は別の広告も視野に入れる必要があります。

アトリビューション分析

アトリビューション分析とは「商品やサービスの購入や資料請求といったCVに対して、広告がどれだけ貢献しているか成果を分析できるWebマーケティングに欠かせない手法のこと」です。

たとえば、あるWebサイトに掲載されていた広告を見たユーザーが、そのサイトでは購入に至らなかったとしても、同じ広告を別のWebサイトで見て商品やサービスを購入した場合、広告の成果が出ていると言えます。

ただし、アトリビューション分析を行う際に併せて活用する計測ツールが、サードパーティークッキーで集めたユーザー情報を参考にしていることを念頭に置きましょう。

このように、ユーザーの購買意欲がどこで高まったのかを分析できるのは、サードパーティークッキーが見込み顧客の情報を集めてくれるからです。

アフィリエイト

アフィリエイトとは「成果報酬型の広告のこと」です。

ユーザーが広告をクリックするとページが遷移します。

ユーザーが違うページに移る際に立ち寄ったサーバーがクッキーを発行しているため、広告主は訪問ユーザーがアフィリエイトリンクを経由して流入してきたユーザーだと識別できます。

広告の効果測定

広告の効果測定とは「出稿した広告にどれだけ成果が出ているか確かめること」です。

サードパーティークッキーを活用することで、広告が商品やサービスの購入や資料請求といったCVにどれだけ寄与しているかを測定できます。

このようにサードパーティークッキーは、あるユーザーが2つ以上のWebサイトを横断する動きを追跡する際に欠かせません。

したがって、サードパーティークッキーが検索エンジンからなくなってしまうと、リターゲティング広告の配信やCVの計測ができなくなるのです。

今までサードパーティークッキーを自社のプロモーション戦略に役立ててきた人は、別の方法を模索しましょう。

サードパーティークッキー規制に向けた動き

近年、サードパーティークッキーを始めとするユーザーが特定可能な技術はプライバシーを侵す可能性が問題視されており、プライバシー保護の観点から規制の動きが進んでいます。

実際にサードパーティークッキーは次の3つで廃止や規制の動きが強まっています。

・Google

・Apple

・法律による規制

以下では、さらに詳しく見ていきます。

Google

2021年Googleは同社のブラウザGoogleChromeのサードパーティークッキーを2023年までに段階的に廃止することを発表しましたが、2022年7月27日に「2024年後半から廃止する」と延期を発表しました。

今後も廃止の年月日が延期される可能性が考えられるため、最新の情報を入手できるように日々アンテナを張っておきましょう。

Apple

Appleは2020年3月にSafariに搭載されているトラッキング防止機能ITP(Intelligent Tracking Prevention)を更新しました。

その後、2022年3月のアップデートを機に同社のブラウザSafariのサードパーティークッキーを全面的にブロックしました。

広告の効果測定に役立つローカルストレージもCookieの代わりに使われていましたが、削除されてしまいました。

法律による規制

サードパーティークッキーは今や世界中で法律による規制がされています。

アメリカのカリフォルニア州ではCCPAと呼ばれる消費者プライバシー法が制定され、EU圏でもGDPRと呼ばれるデータ保護規制を目的とした法令が出されました。

日本でも2022年4月1日に改正個人情報保護法が施行されました。

このように、サードパーティークッキー規制の動きは国内外を問わず進んでいます。

その際、間違えてはならないのは「クッキーが完全に禁止されたわけではない」という点です。

たしかにプライバシー保護の観点から規制は強まっていますが、Cookieはユーザーに許可を取れば利用できます。

あくまで規制であり「禁止ではない」ことを念頭に置きましょう。

サードパーティークッキーに代わる技術

サードパーティークッキーは2022年から2~3年以内には廃止されてしまうため、今までリターゲティング広告や広告効果の測定に役立ててきた企業はサードパーティークッキーに頼らない方法を模索する必要があります。

サードパーティークッキーに代わる技術は次の3つです。

・デバイスフィンガープリンティング

・プライバシーサンドボックス

・Googleが開発中のCookieに頼らない代替技術

以下では、さらに詳しく見ていきます。

デバイスフィンガープリンティング

デバイスフィンガープリンティングとは「ユーザーがWebサイトを閲覧する際に使っているデバイスに関する情報(ブラウザやOSの種類、IPアドレス、バージョン)をもとにユーザーを特定する手法」です。

しかし、デバイスに関する情報は一度登録されるとなかなか変更されないため、ユーザーは追跡から逃れられません。

これを受け、GoogleやAppleはデバイスフィンガープリンティングを制限することを既に発表しています。

プライバシーサンドボックス

プライバシーサンドボックスとは「サードパーティークッキーに頼ることなく広告のトラッキングができるエコシステムのこと」です。

Googleは2022年を目途に開発しており、デバイスフィンガープリンティングと同じく、ユーザーの特定ができてしまう技術だと言えます。

Googleが開発中のCookieに頼らない代替技術

Googleは他にもCookieを使わない代替技術を開発しようとしています。

過去にはFlocと呼ばれる「ユーザーを個人でなく集団に属する人として扱い、嗜好に基づいた広告を打ち出せるようにする技術」を開発していましたが、「ユーザーを特定できてしまう可能性がある」と問題視され、開発が中止されてしまいました。

2022年1月にはFlocに代わって、プライバシーに配慮しつつも個人を特定しない広告を表示するTopics APIの技術テストを進めることを発表します。

ユーザーの閲覧履歴をもとに一人ひとりに合った話題を推定し、Chromeが話題リストの中から毎週5つ選定するという技術です。

ただし、保存期間を3週間としたり、ユーザーが自分でも情報を確認・消去できたりするなど情報の透明性が守られるように配慮されています。

まとめ

 

サードパーティークッキー(3rd party cookie)とは「ユーザーがアクセスしたWebサイトとは異なるドメインから発行されるクッキーのこと」です。

対して、ファーストパーティークッキー(1st party cookie)とは「同じドメインから発行されたクッキーのこと」です。

どちらもWebサイトにアクセスしたユーザーの情報を一時的にブラウザに保存する仕組みを持っていますが、両者には「どこから発行されたか」という違いがあります。

サードパーティークッキーは「リターゲティング広告」「アトリビューション分析」「アフィリエイト」「広告の効果測定」に活用されており、同一ユーザーによる複数のWebサイトの横断を追跡する際に欠かせませんでしたが、プライバシー保護の観点から規制の動きが強まっています。

Appleは既に2022年3月のアップデートを機にSafariでサードパーティークッキーを全面的にブロックしています。

Googleは2024年後半から廃止することを発表するとともに、サードパーティークッキーに代わる技術としてプライバシーサンドボックスと呼ばれるWeb上のエコシステムを構築しようとしています。

サードパーティークッキーがいつ廃止されても対応できるように今のうちから対策しておきましょう。

この記事の監修者

倉永豊光

株式会社トモガラ代表取締役社長。WEBサイト制作の上場会社で営業職を経験後、外資系のスタートアップ広告代理店にてWEBコンサルティングに従事。その後ベンチャー企業の新規事業立ち上げを責任者として2社経験し独立。得意領域はWEBマーケティング全般とWEBサイト制作。 今までWEBサイト制作に携わった数は大手、上場企業、官公庁含めて累計1,000件以上。

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