「Webサイトで記事を増やそうと思ったのに、どのように書けばよいかわからない」「作成した記事を検索ページの上位に表示させるにはどうすればよいのだろう」など、効果的なWebライティングについてご相談をいただくことがよくあります。そこで今回は、企業の執筆担当者がWebサイトで初めて記事を書く上で、その書き方やポイントについて詳しく解説していきます。企業ではなく個人でライティングする方にとっても、役立つ内容となっておりますので、是非ご活用ください。
Webライティングとは
まずは、Webライティングの定義について整理しておきましょう。記事の目的はWebサイトごとに異なっています。今後迷わないようにするためにも、WebライティングとSEOライティングの違いについても抑えておきましょう。
Webライティングとは
Webライティングとは、Web上で表示する文章を執筆することです。一般的には企業のWebサイト、ブログ、コラム、ニュースなどの記事を指します。Web上の文章という意味では、Webサイトにとどまらず、SNSやWeb広告などの文章を指すこともあります。今回はWebサイトのライティングということで話を進めていきます。
ライティングと聞くと、書籍のような紙媒体の執筆を思い浮かべると思います。紙媒体とWebのライティングの違いはその目的にあります。紙媒体では、読者は時間をかけてじっくりと読み込むことができます。ところが、Web上の文章になると、読者はなるべく短時間で、自分の探している情報を探そうとします。そのため、Webライティングでは読者に結論が素早く伝わり、いかに読みやすくさせるかが重要になります。
SEOライティングとは
Webライティングとよく似たものに、SEOライティングがあります。SEOとは「Search Engine Optimization」の略であり、検索エンジンの最適化のことです。ここで、普段検索サイトを使用して、キーワード検索するシーンを想像してみてください。検索サイトでキーワード検索すると、検索結果ページにいくつかWebサイトが表示されます。多くの方はその検索上位からページを開いてチェックしていくのではないでしょうか。つまり、SEOライティングとは、検索エンジンでどのように上位表示されるかのアルゴリズムを捉えた上で、記事を書いていく、検索エンジンを意識したライティングなのです。
多くのWebサイトでは、検索サイトの上位表示を目指すので、Webライティングに加えてSEOライティングを意識して執筆する場合が多いでしょう。
Webライティングの具体的な手順
それでは、Webライティングはどのような手順で進めるとよいのでしょう。具体的には5つのステップで進めると、質の高い記事が書けます。それぞれのステップについて解説していきます。
記事の構成を検討する
思いつくままに記事を書き進めても、うまくは書けません。
まずは記事の目次構成を作成しましょう。構成が決まれば、それに沿ってライティングすればよいので、執筆で迷いにくくなります。
記事の構成を作るにあたっては、リサーチも重要です。ライターの知識が不足している、考え方が偏っていることもあるので、客観的にライティングを進める上でもリサーチには時間をかけましょう。リサーチでは、同じキーワード、ジャンル、テーマでどのような記事があるのかをチェックしましょう。また、SEOも意識して、読者にとって読みやすいのか、悩みを解決できるかを意識するようにしてください。
構成を作る上では、ペルソナの設定も重要です。記事の具体的なターゲットを決めてください。例えば、性別、年齢、職種などを設定し、実際に悩みが解決できるのか、そのための優先項目は何かを整理していきましょう。
目次構成だけでは、記事を書く際に迷うこともあるので、目次の概要、ポイント、文字数なども決めておくと、さらに記事が書きやすくなるでしょう。
記事を執筆する
完成した構成に従い、執筆を進めていきます。
執筆する上でまずは時間を確保し、最後の目次項目まで執筆してみましょう。何度も読み返しながら、途中で目次構成を変更することもあるでしょう。目次構成で設定したポイントを抑えながら、書きもれはないのか、内容が重複していないかをチェックしましょう。
記事を見直す
記事を書き上げたらそれで完成ではありません。
何度も記事を読み返し、誤字脱字がないのか、読者の疑問を解決できるのかを確認しつつ、文章を仕上げていきましょう。リサーチした場合は既存の記事と内容が酷似していないかもチェックしてください。自分以外がチェックすることで、異なる視点で記事がレビューされ、さらに質の高い記事に仕上がります。
記事を公開する
記事のチェックが終わったら、記事をサーバへアップロードします。ここで、文字の装飾や画像の挿入など、最終的に記事の見た目を整えていきます。また、リリースする時間帯にも気をつけましょう。公開日時を指定できるケースが多いので、記事の内容に合った時間帯、アクセス数が増えるように、リリースしましょう。リリースされたら、SNSやメルマガなどを活用し、記事が公開されたことを周知するようにしましょう。
アクセスログを分析し、改善する
記事を公開しても終わりではありません。
記事をリリースすると、実際に読者が検索して、記事を閲覧することになります。その際に、アクセス数、検索キーワード、閲覧時間、閲覧項目などのアクセスログがサーバに蓄積されていきますので、狙い通りの結果になっているかを定期的にチェックしましょう。解析結果により、記事を修正したり、さらに深堀りしてコンテンツ数を増やしたりします。
Webライティングの記事構成
Webライティングの記事は一般的に以下の5つの項目で構成されています。この構成に従い執筆し、記事を完成させましょう。
・タイトル
タイトルは検索した際に、読者が最初に目にする情報です。このタイトルを見ただけで、読者は疑問を解決できるかを判断します。そのためタイトルは記事の概要を一言で表し、かつ読者を惹きつける魅力的な内容でなくてはなりません。読者にクリックしてもらうためにも、タイトルの決め方やコツを抑えておきましょう。タイトルの文字数はスマートフォンユーザーを考慮すると全角35字程度に抑えるように設定するのがよいでしょう。また、検索用のキーワードがあるのであれば、絶対にタイトルに含めるようにしてください。
・リード文
リード文はタイトルの次に読者が目にする情報です。記事の概要や紹介文を的確に表現することで、読者が本文を読むかどうかを判断する材料になります。ここでもタイトルと同じで、読者がこの記事を読むことで課題が解決できると思えるような魅力的なリード文でないと読み進んでもらえません。具体的には、読者の悩みを提示し、さらに解決策を提示することで、より本文へと引き込みやすくなります。
・見出し
目次構成が記事の見出しになります。
見出しでは大見出し、中見出し、小見出しがあり、ツリー構造となっています。
大見出しで本文の概要や大枠を伝え、中見出しや小見出しでその具体的な内容を説明していきます。見出しを設定することで、読者は欲しい情報を判断し、スピーディに疑問が解決できるのです。読者は見出しを見て、本文を読み進めるのか、この記事で課題が解決できるかを判断します。
・本文
本文は特に正確な情報が求められます。複数のWebサイトや書籍のリサーチにより得られた情報を整理し、読者にうまく伝えられるかを意識しましょう。後述するWebライティングの型に沿って本文は執筆すると読みやすい記事になります。また、文章だけの長い記事は読みづらくなるため、箇条書きや表を使って、読みやすくなる工夫も忘れないようにしましょう。
・まとめ
リード文に対する答え、本文の結論を改めて最後にまとめて整理します。
Webライティングの型
本文を執筆する上で、最初はうまく書けなくて悩むことが多いでしょう。文章はある程度型に沿って書くことで、読者が読みやすくなります。今回は代表的な2つのWebライティングの型をご紹介します。この型はWebライティングだけではなく、資料を整理したり、プレゼンテーションにおいても役立ちますので、普段から使えるように練習してみましょう。
PREP法
PREP法とは(Point、Reason、Example、Point)初心者が取り入れやすい型の1つで、下記の4つの要素で構成されています。この型を知らずに自然にライティングで使っていることもあります。
最初と最後に結論を書くことで、分かりにくい内容も論理的に整理され、読者は読みやすくなります。PREP法はとても書きやすく、文字数が最小限に抑えられるため、積極的に取り入れてみましょう。
・Point(要点)
1番最初に最も重要となる結論や主張を明確にします。
・Reason(理由)
続いて、結論の理由を整理します。
・Example(具体例)
さらに踏み込んで、その結論の具体例を明示します。
具体例があると、読者は想像しやすくなり、理解しやすいです。
具体例はその理由に対して1つではなく、複数並べることもあります。
・Point(要点)
理由、具体例を経て、最後にまた結論を記載することで、さらに定着できます。
SDS法
SDS法はPREP法よりもさらに要素が3つと少なく、情報をコンパクトにまとめることで、読者にスピーディに主張を伝えやすい型です。構成自体はPREPと似ており、最初と最後に結論をもってきます。ただし、最後のまとめでは最初とは表現を変えることで、読者により深く伝わるように工夫してください。
・Summary(全体の概要)
記事の概要について最初に説明します。
・Details(詳細)
概要のあとで、その詳細について説明します。
・Summary(結論・まとめ)
最初に主張した概要とは表現を変えながら、最後にまた結論で締めくくります。
Webライティングのポイント・注意点
Webライティングで一番重要なことは読者目線で執筆することです。少しでも分かりにくい表現があると、読者はすぐに離脱していきます。
また日本語が正しければよいというわけでもなく、適度な改行や文字の装飾など、読者をなるべく読みやすくさせるための工夫を忘れてはいけません。ライティングに慣れるまで時間がかかりますが、何度も推敲しながら、納得のいく文章を書きましょう。
Webライティングを進める上で抑えておきたいポイントをご紹介します。
・最初に結論を書く
Webライティングの型にもあるように、少ない文字数で短時間で読者の悩みを解決しなくてはなりません。そのために、回りくどい表現はなるべく避け、まず結論を冒頭で述べるようにしましょう。そのあとで補足するような型を身に付けてください。
・主語と述語を大切にする
文章を繋いでいくと、どうしても主語と述語の関係がおかしくなることがあります。
なるべく文章は短くまとめ、主語が抜けたり、主語と述語と呼応しないなど、不自然な日本語にならないように気をつけましょう。
・文末表現の繰り返しに気をつける
慣れないうちは文末表現が、〜ます、〜です、などと同じになりがちです。同じ文末表現が3回以上続くと、読者は違和感を感じてしまい離脱の原因となります。体言止めを入れるなどメリハリのある文章を目指しましょう。
・適切な改行を挿入する
1つの文章は40文字程度にとどめましょう。そして、文章が続き、4行を超える場合は、ある程度のブロックで改行しましょう。同じテーマであれば、一文ずつ改行する必要はありませんが、目安として4行程度で段落を変えることを覚えておいてください。
・句読点を挟んで読みやすくする
上記と関連しますが、文章はなるべく短い方が分かりやすいです。説明が長くなる場合には、句読点を適宜挟むことで、同じ内容の文章でも読者は読みやすくなります。
・他記事のコピー&ペーストはしない
Webサイトをリサーチして、執筆を進めていくと、既存サイトの内容と酷似してしまうことがあります。無料で利用できるコピペチェックツールもありますので、他サイトと同じ内容にならないように気をつけてください。同じ内容でリリースすると検索エンジンの評価も下がり、サイトが上位表示されにくくなります。
まとめ
本記事ではWebライティングの手順・方法・ポイントについて解説しました。
執筆する際は、Webライティングの5ステップに沿って、PREP法やSDS法といったライティングの型を意識して進めましょう。ある程度執筆量を増やしていくと、Webライティングに慣れていき、読者目線の読みやすい文章が書けますので、とにかく練習してみてください。